新しい医療の実践

そうだ、それは東日本大震災から始まったのだった…

災害時、病院の機械や設備は止まり
薬は手に入らなくなり
通常の医療がほとんどできなくなっていた。

医者がいても、ほとんどなにもできることがない。
現代医療は物資がなければ機能しない
ということをまざまざと見せられた思いだった。

現代以前はそんな物資はなかったはずで
物資がなくともできることはあったはず。
(もちろん、物資があるからこそできる事が飛躍的に増えたのだが。)

地球の気候変動でこれから災害は増え続けるだろう。
災害時でも物資が使えるようにする備えが必要だが
一方で物資がなくともできる医療も必要なのではないか?

また、気候変動に対処したり、限りある資源を大事にしていかねばならないこれからの時代。
災害時のような物資の使えない事態が、平常時に来る可能性だってある。

物資に頼りすぎず
物資が必要な時にちゃんと使える医療体制が維持できることが大切だと思う。

そんなことを東日本大震災の時に感じ、
当時専業主婦をしていたけれど
「物資がなくてもできる医療」を私はできるようにするのだ
と目的を定めて動き出した。

漢方薬や鍼などの伝統医療を学び
各種代替療法を体験しながら少しずつ学び
心理療法の分野も少しずつ学び
震災後2年ほどで漢方内科という場で診療を再開しながら学び続け考え続けてきた。

ここ2年ほどは移住のため健診のみだが
健診で健康相談に乗るなかで
薬も使わずにより健康につながることに意識が向き
日常生活の送り方や日々のセルフケアや意識の向け方の大事さをより感じるようになった。

私の医療観がかなり独自なものになってきて
自分で医療の場を持つことが必要になってきたと感じてきたこの10年ほど。

移住してきた長野で古民家を改築して
「身体一つでできる医療」
をできる診療所が開院できる運びとなった。

古民家でってアイデアは他の方からいただいたけど
私の医療観に合った場になりそうだ。

今は大工さんの内装工事のかたわら
自分たちで外壁にウッドロングエコ塗ったり
柱の塗装したりしている。

できるだけ自然な素材で作りたく
敷石は自然石にしてもらったり
床もベニアのパネルが通常の工法なのだけどそれをやめて昔ながらの方法でやってもらったり
これもまた、工業的な製品に頼りすぎないバランスを取る意味もある。

そんなちょっと変わったクリニックがもうすぐ誕生いたします。

未来の新しい医療のあり方を模索し実践していきます。

それは東日本大震災から始まったのだった。